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私鉄大手7億円 資材隠し経費水増し(更正処分)

 
 

事例

 私鉄大手のK(大阪市)が大阪国税局の税務調査を受け、02年3月期までの2年間に約7億円の所得の申告漏れを指摘されていたことが分かった。余った資材を隠して経費を水増ししていた。国税局は重加算税を含め約3億円を追徴課税(更正処分)した。

 Kによると、同社は保守点検に使う架線や枕木、通信ケーブル、信号機の電球など総額約4億5000万円分の資材が余ったにもかかわらず、すべてを使い切ったとして経費(損金)に計上していた。このうち、Y市にある電力区の幹部宅には、税務調査を逃れるため1700万円分の資材が運び込まれるなど悪質だった。

 こうした「資材隠し」は近畿、東海に41ある保守点検部門のうち、25部門で行われた。現場の担当者が慣例的に行っており、20年前に隠された資材も見つかっている。担当者は社内調査に対し、「緊急時の予備として資材を余分に残しておきたかった」と説明しているという。このほか、駅舎改良に伴う工事費の計上ミスなどもあった。

 K社広報部の話 現場の社員に(脱税の)意識はなく、法律に対する認識の甘さがあった。当局の指導に従いたい。全社的に行ったものでないが、今後は社内規定を見直し、物品管理のチェックシステムを構築して、二度とこのようなことがないように徹底したい。【

解説

 この事例は修正申告(自主的な修正)ではなく、更正処分(課税庁側からの一方的な処分)されているケースです。

 保線のため等に購入した資材は、実際に保線に使用すれば当然に損金ですが、実際にはまだ使用されていない部分が残っていたため、いわゆる「隠し在庫」として認定されました。

 電鉄会社の場合、修繕費(損金)と資本的支出(固定資産の取得)の判定についての取り決めがあります。
通常の企業の場合には、形式基準、実質基準・・・というフローチャートで判定しますが、線路の修繕等については、「取替え法」といって、すべて修繕費に計上することを認めています。

 ただし、この事例のように修繕用資材を購入しただけで実際に「修繕」に使用していない場合には「商品在庫棚卸高」と同様に当然に損金とはなりません。

 一般企業においても、たとえば広告宣伝用のパンフレットの未配布高、事務用筆記用具の未使用高、収入印紙の未貼付高などについては「貯蔵品」という勘定科目(棚卸資産として表示)に計上しなければなりません。
※ただし、通常一ヶ月で使い切る程度の数量であれば少額不追求の原則がありますので、貯蔵品として資産計上しないこともできます。

 今回のように、資材を自宅に持ち帰って隠すということが発覚したというケースではもちろん「悪質性」を問われることになります。

 

 

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