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遺産相続で現社長ら6人、23億4000万円申告漏れ

 
 

事例

 総合物流業前社長の遺産相続に絡み、現社長ら相続人6人が名古屋国税局の調査を受け、約23億4000万円の申告漏れを指摘されていることが6日、分かった。6人は相続税の修正申告に応じているが、過少申告加算税約1億3000万円の追徴課税分について、取り消しを求める訴訟を静岡地裁に起こしている。
 訴えているのは、前社長の長男で現社長ら6人。訴状では、93年に亡くなった前社長から、現社長ら6人が同社や合板会社の株などを相続した。
 合板会社の株について、6人は国税庁が公開している、株価算定の基準となる「評価通達」をもとに約19億円と申告。だが、前社長が金融機関から約40億円借り入れてこの株を購入し、現社長は相続後この株を関連会社に約42億円で売却していた。評価通達では、実際の取引と算定基準に大きな開きがある場合などに限り、例外を設けており、名古屋国税局は、株価の評価額は約40億円になると指摘した。
 ◇過少申告加算税は静岡地裁で係争中
 現社長ら6人は96年12月に国税不服審判所に審査請求を行ったが、99年3月に棄却。同じ年に静岡地裁に訴えていた。

解説

相続税は遺産を相続や遺贈により取得した場合に課せられる税金です。

遺産には現金や預金以外の資産が含まれますが、その評価額は原則として「時価」によるものとされています。
ただし、「時価」というのは第三者間で「売ります」「買います」と成立した価額ですので、死亡した日に売却や処分をしないかぎり厳密な時価というものは計れません。
上場株式などについては日々の相場が公開されていますので、死亡した日に遡って「時価」を調査することができますが、いわゆる「取引相場のない株式」等については、市場で売却することができないため「相場」を形成できません。
また、「取引相場のない株式」等(つまり、一部は大企業もありますが、ほとんどは町の中小零細企業の株式)を実際に現金に換金しようとすると、その会社を清算解散させて持っている資産を全て売却し、負債を返済した残額を株主に分配するということになります。
このタイミングで売却益などの清算利益が発生し、これに対して法人税が約50%課税されます。
つまり、実際に株主に分配されるのはこの税引き後の金銭です。
そのため、「取引相場のない株式」等で一定のものは、相続税の計算上、実質価額の約半分程度として計算することになっています。

しかしながら、この事例では、この株式を実際に42億円で売却していますので、これをもって、そもそも原則の「時価」として把握すべきであるという国税側の主張があるわけです。

納税者側はあくまでも「評価通達」に沿って計算したことによる計算違いであるので、過少申告加算税(罰金みたいなもの)について訴えをおこしているところです。

 

 

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